象のHappyさんと基本的象権


Nonhuman Rights Project(NhRP)という、人と同様、動物に基本的権利を与える活動をしている団体があります。動物園にいる動物に自由になる権利を主張し、解放する活動を行っているようです。

ニューヨーク・ブロンクスの動物園にいる齢48歳になる象のHappyさんは、過去に、人間と同様、鑑に写った自分を認識できることを示した象さんで、この研究はサイエンス誌に掲載されたようです。

NhRPは、Happyさんを代理して、違法な投獄から解放するため、人身保護に基づき、ブロンクスの動物園からテネシー州やカリフォルニア州にある象さんの保護区域に移すよう提訴していました。どうやってHappyさんの意思を確認したかは分かりません。

とんでも訴訟のようにも見えますが、猿の惑星とか見てるとそうもいってられないかも、とか思います。

現実にも猿の自撮り写真で猿の著作権主体性が問題となったり、日本でも環境問題に関する訴訟で動物が原告になった訴訟(アマミノクロウサギなど)とかもあり、人基準だけで考えてよいものかとも思ったりします。

このニューヨーク州の裁判官は、NhRPの提訴を真剣に受け止めたようです。

人の法律では、動物はモノとして扱われますが、この裁判官は、Happyさんは、単なるモノではなく、それ以上の存在であることを認め、経緯と尊厳をもって扱われるべき知的で自立的な存在であり、かつ自由になる権利を享受しうる存在である、と判断しました。

もっとも、結論としては、判例に従って、Happyさんは”人”ではなく、違法な投獄にはあたらない、としました。

基本的象権は認められませんでしたが、NhRPの活動は続くようです。

知的な動物に基本的権利を認めた場合、うちのジュリアンちゃんも解放されたりすると、それはそれで悲しいです。

弁護士大橋卓生