Radiohead “Creep”と盗作の連鎖?


ようやくゴーストノートの入れ方のコツをつかみました。その動画を探している中で、既に解決しているようですが、興味深い事案を見つけました。

問題となったのはLana Del Rayの“Get Free“(2017)です。この曲の序盤部分とプリコーラス部分。

問題を提起したのは、Radioheadです。
“Get Free”は、彼らの楽曲”Creep“(1992)を利用しているとして、”Get Free”のロイヤリティ収入の分配を求めたようです(訴訟には至っていない模様)。

複雑というか、面白いのは、Radioheadの”Creep”自体が盗作として問題となっていました。

問題を提起したのは、The Holliesの”The Air that I Breathe“(1972)を書いた2人のソングライター。この盗作騒動は、Radioheadの”Creep”に作曲者に2人のクレジットを入れ、ロイヤリティを分配するということで解決されたようです。

初見で聴く限り、曲の雰囲気やテンポ、コード進行が似てる感じを受けましたが、パクリとまでいえるかな、という印象でした。

各楽曲の譜面を見ると、”Creep”は、ほぼG→B→C→Cmというコード進行で構成されていました。これは、Ⅰ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅳmという構成です。

“The Air”の序盤部分は、C→E→F→Fmになっており、Ⅰ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅳmの構造です。

“Get Free”の序盤部分・プリコーラス部分は、B♭→D→E♭→E♭mで、Ⅰ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅳmの構造です。

ロックやポップスではありまり見ないコード進行です。あるサイトでは、ヒット曲17,000曲を分析したところ、このコード進行が見られたのは4曲とのこと。

あと1曲はなんだろうと思い、ギターで弾いてみたところなんとなく聞き覚えがありました。他のサイトを見たところ、David Bowieの”Space Oddity”(1969)でした。

これは昔から弾いている曲でしたので、それで聞き覚えがあったのですね。確かに、Bメロのコード進行がC→E→F→Fmで、Ⅰ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅳmの構造です。

それはともかく、珍しいコード進行だからそれで一発アウトということであれば、David Bowieの一人勝ちです。

日本の盗作裁判でもコード進行が決め手というものはありません。メロディが似てるか、という点が重要です。

記念樹事件の高裁判決ではメロディの合致度合いを検討して約72%合致していること等から類似性を認めました。

Radioheadの事案でそれを検討した専門家がいました。これによれば、”Creep”と”The Air”のメロディ合致は2%程度らしいです。これに対して”Creep”と”Get Free”は46%のようです。

この専門家によれば、”Creep”と”The Air”の類似は潜在意識下によるものだが、”Get Free”はそれを超えて、重要な部分で”Creep”の音楽的要素を繰り返し流用している、としています。

日本の裁判所は、どう判断するのか興味深いです。

弁護士大橋卓生