シャロン・ストーン・・・ド


シュワちゃんの”トータルリコール”や”氷の微笑”で一世を風靡した女優”Sharon Stone”(シャロン・ストーン)が、女性ラッパーChannel West Coastをパブリシティ権侵害等で訴えています。

問題となったのは、Channel West Coastが、2019年4月にリリースした楽曲”Sharon Stoned“とそのPV。

タイトルから”Sharon Stone”の氏名を使っていて、曲中”Sharon Stone”を33回、”Sharon”を99回使用し、それが楽曲の約1/4を占めています。

PVでは、Channel West Coastが”氷の微笑”のシャロン・ストーンの真似をして登場し、ミニスカ足組み替えシーンのパロディやゴールデングローブ賞を受賞した”Casino”のパロディシーンを多用しています。

シャロン・ストーン側は、こうした彼女の氏名やイメージの無断利用に対してパブリシティ権侵害や日本でいう不正競争防止法違反等で訴えています。

訴えの中で興味深いのは、有名な”氷の微笑”のミニスカ足組み替えシーン(0:51あたり)と演じた役柄が、シャロン・ストーンと切っても切りはせないもので、彼女を識別するものとなっている、と主張している点です。

スタイルのパブリシティ権の一種と思われます。
映画の一シーンの利用であれば、映画の著作権が働くところですが、重ねて俳優のパブリシティ権が働くのか否か。

もう1点は、楽曲のタイトルや歌詞に著名人の氏名を使用することがパブリシティ権侵害を構成するか、という点です。

楽曲のタイトルや歌詞の大部分が氏名で埋められているところに着目すれば、氏名肖像を商品とするグラビア写真と同じように思えます。

グラビア写真は氏名肖像を見せることが売り物となります。
楽曲の場合も曲や歌詞を聴かせることが売り物となるのですが、歌詞に登場する氏名が売り物になっているか、そこに登場する氏名の顧客吸引力で楽曲を売ろうとしているものかは、グラビア写真とは異なるように思われます。

楽曲そのものよりも、楽曲のプロモーションのために制作したPVの方がパブリシティ権侵害と言いやすいのではないかと思いました。

ところで、著名人が歌詞等に登場する楽曲としては・・・

Billy Joel “We Didn’t Start the Fire
サザンオールスターズ “吉田拓郎の唄

桑田さんやミスチルを始め日本でも多くのアーティストが歌詞に著名人を登場させています。

今回の”Sharon Stoned”に匹敵する日本の楽曲としては、筋肉少女帯の”元祖高木ブー伝説“かと思います。
タイトルにも歌詞にも”高木ブー”が結構使われています。

個人的には、”Chanel West Coast”という芸名で活動しているのを、Chanelが何のクレームもしていないのかという点が気になってますが、特に問題は生じていないようです。

“Chanel West Coast”の本名を訴状でみたら、Chelsea Chanel Dudleyだそうで、ミドルネームにちなんだ芸名みたいです。

弁護士 大橋卓生