Lady GAGAのスター誕生と盗作問題


映画”A Star Is Born”は、1937年に公開されました。その後、1954年、1976年、2018年にリメイクされています。

1937年・1954年はハリウッドを舞台にし、邦題「スタア誕生」として公開されました。
1976年のリメイクは、映画業界から音楽業界(ロック)に舞台を移し、バーバラ・ストライサンドが主演し、邦題「スター誕生」として公開されました。

2018年のリメイクは、音楽業界ですがカントリー界を舞台に、レディー・ガガが主演し、邦題「アリー/スター誕生」として公開されました。

レディー・ガガ主演の「アリー/スター誕生」の主題歌”Shallow”は、ガガのチームが作詞作曲をしたもので、ゴールデングローブ賞の主題歌賞、アカデミー賞の歌曲賞、グラミー賞の年間最優秀レコード賞など数々の賞を受賞しています。
音楽配信も2億回を超え、売上も$1Mを超えたとされています。

こうした成功作品に対しては、easy moneyを狙って訴訟が提起されることが多い感じがしますが、案の定、著作権を侵害された、というアーティストが現れました。

Steve Ronsenというロックアーティストが、”Shallow “は彼が2012年に発表した”Almost“の盗作だと主張しました。リズムやテンポ、コード進行などが似ており、特に”Shallow”のサビの出だしの音”G→A→B”(ソ→ラ→シ)は”Almost”から盗んだものだ、と。

これが著作権侵害になるとは到底思えないというのが専門家の見解ですが。Blurred LinesやKaty Perryのとんでも判決があるので、作曲のことについて何も知らない陪審員に判断される脅威をたてに幾ばくかの解決金を得て和解を狙っているのではないか、との見方がでています。

まだ訴えは提起されておらず、レディー・ガガ側からの回答を待っている状況のようです。上記の程度で盗作はありえないとは思いますが、Blurred LinesやKaty Perryの件をみると、確かに不安になりますね。

報道をみていると、”Almost”はSoundCloud上の公式ページで配信されていたようですが、盗作と騒ぎ出す前は、300viewもいってなかったようですし、CDも市場に出回っていなかったようです。”access”(依拠性)のところで切れそうですね。

ちなみに、盗作報道が出てからはアクセスが急増し、本日現在、Soundcloudで33万回超、Youtubeで78万回くらいになってます。十分元は取れたのではないでしょうか。

とはいえ、おかしな判断にならないか注目しておく必要はありそうです。

ところで、別件ですが、大きな注目を浴びているLed Zeppelinの”Stairway to Heaven“事件のトライアルやり直しですが、トランプ政権からLed Zeppelinに有利になる意見書を9th Cir.に提出されました。

盗作訴訟のトライアルは、陪審員に何を聞かせるかで結論を左右されます。

政府が出した意見書は、報道によれば、概ね次のような感じです。

  • 盗作されたと主張しているSpritの”Taurus“が作曲された1968年であり、旧著作権法が適用される。
  • 旧著作権法ではSound Recording(録音物)は著作物として保護されていなかった。
  • “Taurus”が著作権で保護されるのは、旧著作権法に基づいて著作権局に登録した楽譜の範囲に限定される。

上記で引用した楽曲の録音物同士を比べるのではなく、”Taurus”については著作権登録をした際に提出したSheet Music(楽譜)によるということかと思います。

政府意見書は、楽譜に限定するとしてもメロディや歌詞なんかは表現されているはずで問題ないし、もしそうした要素が書かれていなければ、権利者や代理人が悪いのだ、としているようです。

政府も”Taurus”が歌詞のないインスト曲と知ってるはずではありますが。。。

著作権登録を調べたところ、提出された楽譜までは出てきませんでしたが、”Taurus”は1968年に登録された後、1996年に他の楽器のSheet Musicを追加したものを著作権登録しているので、当初の登録では、陪審員の説得には不十分なのかもしれません。

そもそも”Stairway to Heaven”事件はありふれたコード進行とそのアルペジオ演奏が似ているという音楽の技法から当然に導かれる部分が類似しているに過ぎないので、Led Zeppelinは負けてはいけない事件ではあると考えています。

だいぶ脱線してしまいましたが、”Stairway to Heaven”も”Shallow”もアコギがかっこいいです。”Stairway to Heaven”は既にマスターしているので、”Shallow”をブラッドリー・クーパーみたいに弾き語れるよう練習します。

弁護士大橋卓生