「スポーツ仲裁」カテゴリーアーカイブ

馬ドーピング事件:CAS 2020/A/6853

馬ドーピングといえば、2006年の凱旋門賞に出走したディープインパクトが3着に入るも、禁止薬物使用で失格となった事案が思い出されます。

WADA規程でも動物を使った競技について、動物のドーピングが想定されていますが、禁止物質等を含め国際競技連盟(IF)がWADA規程に沿ってルールを定めることとされています。

事案の概要

国際馬術連盟(FEI)に登録している障害馬術(jumping)のプロライダーS選手(スイス)は、”SAURA DE FONDCOMBE“号とともに、2017年10月にモロッコで開催された大会に参加して優勝し、ドーピング検査を受けました。

馬の血液検体が採取され、分析した結果、オピオイド系鎮痛薬で 続きを読む 馬ドーピング事件:CAS 2020/A/6853

昇降格ルールの変更とCovid-19 -英国編-

Covid-19パンデミックの影響により中断していたプレミアリーグが再開し、リバプールFCが悲願の優勝を遂げた英国サッカーですが、下部のリーグでは法的な問題が発生していました。

英国サッカーは、英国サッカー協会”The Football Association”(The FA)の下に、プレミアリーグを頂点とする7階層で構成され、各階層間は昇降格システムが採用されています。”National League System”(NSL)と言われています。

The FAのCouncil(評議会)は、2020年4月9日に、「NSLの3〜7の階層について直ちにシーズンを終了し、今シーズンの階層間の昇降格要件を削除し、かつすべての結果を抹消する」旨決定しました。

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孫楊ドーピング違反事件 CAS 2019/A/6148

ロンドンオリンピックで金2銀1銅1、リオオリンピックで金1銀1、世界水泳で金たくさんとっている中国のプールのスーパースター孫楊選手が、血液サンプルを破壊してドーピング違反となり、8年の資格停止処分となったと報道がありました。また、CASで初めて公開ヒアリングが行われ、中→英の通訳のミスがひどいなどでも話題となりました。

その孫楊ケースのCAS裁定が公開されたので早速読んでみました。長いので細かな争点は省いています。

事案の概要

主な登場人物・団体は基本的に略語になっているで、それを整理します。

FINA:国際水泳連盟。今回のドーピング検査の主体。
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