「スポーツ法」カテゴリーアーカイブ

eSportsプレーヤーとNeighboring Rights

eSportsプレーヤーの権利まわりで、日本で議論をみかけないのが、パフォーマンスに関する権利関係です。

ヴァーチャル空間に関する権利の問題なので、伝統的なスポーツでは基本的に問題とならない部分ですが、調べた限りでは、米国では7,8年前から議論となっており、いくつか論文も発表されているところです。

eスポーツとリアルスポーツとで大きく異なるところは、リアルスポーツの対象は野球やサッカーなどそれ自体著作物ではありませ 続きを読む eSportsプレーヤーとNeighboring Rights

eSportsとスポンサーシップ

eSportsの市場調査会社Newzooの2019年度のレポートによれば、eSportsの全収入$1.1B(約1169億円)に占めるスポンサー収入の割合は42%とされ、もっとも大きな収入となっています。

スポンサー収入について、大学院の授業で、どのようなスポンサーメリットが付与できるか、それを可能にする法的権限があるかなど検討してもらっていますが、考えていくといろいろあって面白い分野です。

Naming Rights

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eSportsと肖像とタトゥー(後編)

NBA2kシリーズでパブリシティ権のほかに問題になっているのがタトゥー。

選手の肖像をリアルに再現するとなると、その身体に入ったタトゥーもリアルに再現されますが、そのタトゥーは著作権で保護されることになります。

数年前から、タトゥーアーティストが映画会社やゲーム会社を相手に訴訟を起こしています。著作権は著作物を創作した者に帰属しますので、選手ではなく、タトゥーを彫ったタトゥーアーティストが権利者となります。

米国の著作権法では、表現をtangible media of expression(有形的 続きを読む eSportsと肖像とタトゥー(後編)

eSportsと肖像とタトゥー(前編)

Take-Two Interactive Software(”Take-Two”) といえば、その傘下にRockstar Gamesや2K Gamesなどを有するゲームパブリッシャーです。

Rockstar Gamesといえば、Grand Theft AutoシリーズやRed Dead Redemptionシリーズなど犯罪ゲームで大ヒット作を出しています。GTAVもRDR2もまだクリアできていません。

2K Gamesは、NBA2KシリーズやWWE2kシリーズなどスポーツゲームで大ヒット作を出しています。

NBA2kに関しては、Take-TwoとNBAがジョイントベンチャーとしてeSportsリーグを起ち上げ、NBA所属チームがeSportsチーム組 続きを読む eSportsと肖像とタトゥー(前編)

eSportsとドーピング

2017年に、ディズニー傘下のスポーツ専門チャンネルESPNが、リーグ・オブ・レジェンドのプロリーグに参加してる欧州と北米のトッププロ選手33人を対象にプロ生活に関するアンケート調査を実施しました。

基本的にゲーミングハウスで他の選手と共同生活をすることになるようです。チームのパフォーマンスを上げるのに最高の環境という反面、プライベートな時間がないようです。

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eSportsとプロ選手契約

いつくかeSportsのプロ選手契約書(英文)を検討する機会があったので、覚書的に留意点をまとめてみました。適宜アップデートすると思いますので、話半分でみてください(^^ゞ

1 対象となるゲームの特定

eSportsの対象となるゲーム毎に、ゲームメーカーやプロリーグが定めるルールが異なりますので、どのゲームのプロとして契約するのかを明記する必要があります。

2 契約期間

1〜2年が多いようです。

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フィリー・ファナティック、FA宣言して流出か?

MLBフィラデルフィア・フィリーズのマスコットキャラクター”フィリー・ファナティック”(下記写真参照)が、FAを盾に球団と契約の再交渉を巡って紛争が生じています。


(球団訴状より引用)

ヤクルトのつば九郎が似たようなことをやっていますが、ファナ 続きを読む フィリー・ファナティック、FA宣言して流出か?

外国人選手と契約交渉

ザック・ラッツ選手をご存じでしょうか。

2014年のシーズン途中にプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルス(”楽天球団”)に移籍し、右手親指骨折で9月に母国米国に帰国した選手です。結局15試合の出場にとどまったようです。

2014年シーズン終了後、ラッツ選手と楽天球団は、2015年シーズンの契約交渉をしたようです。年俸70万USD+出来高を内容とするでしたが、最終的に契約締結に至りませんでした。

2015年1月5日、ラッツ選手は自由契約選手となったようです。このため、ラッツ選手は、2015年シーズンは、韓国のプロ野球球団と年俸50万USDで契約を締結したようです。

ラッツ選手は、楽天球団との2015年シーズンの契約交渉の過程を 続きを読む 外国人選手と契約交渉

adidas 3本線商標

アディダスの3本線商標が、EUで無効とされたというニュースが話題になっています。

EU裁判所のプレスリリースによれば、無効とされたのは次の商標です。

2014年にEU知的財産庁(EUIPO)が上記商標を登録したところ、ベルギーの会社が異議を申し立て、これを受けてEUIPOが登録を取り消したことについて、アディダスがEU裁判所へ上訴していました。

 

ところで、アディダスの3本線の識別力ですが、日本でも過去の裁判例で争われています。

EUでの争いとは異なりますが、特許庁で指定商品を「運動用特殊靴」等として次の商標が登録されたことについて、アディダスが 続きを読む adidas 3本線商標

アマチュアリズムの危機 or 改革?

全米の大学スポーツを統括するNCAAは、その規則にアマチュアリ規定を設けています。

基本的に、スポーツで報酬を得てはならず、エージェントと契約してはならない、とされています。こうした行為を行うとアマチュア資格を失い、大学スポーツに参加できなくなります。

NCAAでは、アメリカンフットボールと男子バスケットボールが人気で、1000億円ともいわれる収益を支えています。これらのスポーツの放映権の販売やビデオゲーム化のライセンスなどが大きな収益源となっています。

ところが、先のアメリカンフットボール規定によって、その収益 続きを読む アマチュアリズムの危機 or 改革?