「スポーツ法」カテゴリーアーカイブ

Lawson Case : CAS 2019/A/6313

以前にざっとまとめた、陸上のローソン選手のドーピング違反に関するスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定が公開されていました。

この裁定の内容について、賛否両論あるるようなので、CASの裁定書を読んでみました。

《概要》

2018年 4.11 ドーピング検査→陰性
5.20 セイコーゴールデングランプリ(大阪)に出場
(ドーピング検査→陰性)
6.2 米国アーカンソー州スプリングデールにて、競技会外検査実施
6.14 上記競技会外検査で採取したA検体からEpitrenbolone検出
6.21 USATFナショナルチャンピオンシップ(米国)に出場
7.13 ラバト(モロッコ)にて大会出場
7.17 ソットヴィル・レ・ルーアン(仏)にて大会出場
7.22 ロンドン(英国)にて大会出場
8.3 国際陸上連盟のAthletic Integrity Unit(AIU)が選手に陽性通知
    →暫定的資格停止
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昇降格ルールの変更とCovid-19 -ベルギー編-

英国、フランスに続いて、ベルギーのプロサッカーリーグでもコロナと昇降格ルールの変更が問題となっています。

ベルギーの国内リーグは、1st Divison A(16チーム)−1st Division B(8チーム)− National Division(セミプロ16チーム)から成るようです。

昇降格ルールは、1Aから1B降格は最下位の1チーム、1Bから1Aの昇格とはトップ1チーム、1BからNDへの降格は下位3チームです。

今回、ベルギーのプロサッカーリーグは、かなり迷走したようです。

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キプサング選手/ドーピング事件:SR/009/2020

ロンドンオリンピック・マラソン銅メダルで、元世界記録保持者のウィルソン・キプサング選手(ケニア)が、ドーピング違反で4年間の資格停止となりました。この処分は、World Athleticsにおける処分ですので、英国のSports Resolutionが担当しています。

この判断に対してCAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴することが可能です。

キプサング選手は、警官らしいのですが、この4月に夜間外出禁止令に違反して、仲間と飲酒して逮捕されているようです

この事案、ドーピング検査で禁止薬物が出たのではなく、居場所情報関連義務違反及びドーピングコントロールの不当な改変という違反です。後者の違反は、先日、大きなニュースになった中国のプールのスパースター孫楊選手と同じ違反です。

アンチ・ドーピング機構側の違反立証及びアスリート側の反証ともに、客観的な証拠と証人の信用性が重要になります。

コロナの影響か、証人尋問はビデオ会議方式で実施されたようです。

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馬ドーピング事件:CAS 2020/A/6853

馬ドーピングといえば、2006年の凱旋門賞に出走したディープインパクトが3着に入るも、禁止薬物使用で失格となった事案が思い出されます。

WADA規程でも動物を使った競技について、動物のドーピングが想定されていますが、禁止物質等を含め国際競技連盟(IF)がWADA規程に沿ってルールを定めることとされています。

事案の概要

国際馬術連盟(FEI)に登録している障害馬術(jumping)のプロライダーS選手(スイス)は、”SAURA DE FONDCOMBE“号とともに、2017年10月にモロッコで開催された大会に参加して優勝し、ドーピング検査を受けました。

馬の血液検体が採取され、分析した結果、オピオイド系鎮痛薬で 続きを読む 馬ドーピング事件:CAS 2020/A/6853

昇格ルールの変更とCovid-19 −フランス編-

フランスでも、サッカーのプロリーグがシーズン途中で終了したことを契機とする昇降格の問題が発生していました。また、同じタイミングで、サッカーのアマチュア選手権が打ち切りとなったことについて問題が発生していました。
これらの事案は、日本とフランスの弁護士の金塚彩乃先生がブログで紹介されていました。

フランスでは、2020年3月24日に緊急事態宣言が出され、7月10日まで延長されているようです。8月31日までは5000人を超えるイベントが禁止されているようです。首相が2019/2020シーズンのプロスポーツは開催できないと発言し、スポーツ省も非公開を含め8月まではスポーツ競技は実施しないと言及していました。

2020年3月13日の時点でサッカーはすべて中断していましたが、上記の状況を受けて、フランスサッカー協会(FFF)は、2020年4 続きを読む 昇格ルールの変更とCovid-19 −フランス編-

昇降格ルールの変更とCovid-19 -英国編-

Covid-19パンデミックの影響により中断していたプレミアリーグが再開し、リバプールFCが悲願の優勝を遂げた英国サッカーですが、下部のリーグでは法的な問題が発生していました。

英国サッカーは、英国サッカー協会”The Football Association”(The FA)の下に、プレミアリーグを頂点とする7階層で構成され、各階層間は昇降格システムが採用されています。”National League System”(NSL)と言われています。

The FAのCouncil(評議会)は、2020年4月9日に、「NSLの3〜7の階層について直ちにシーズンを終了し、今シーズンの階層間の昇降格要件を削除し、かつすべての結果を抹消する」旨決定しました。

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Player’s ContractとCovid-19

ポーランドの元プロバスケットの選手で、現スポーツロイヤーのHubert Radke弁護士が紹介していたBasket Arbitral Tribunalの仲裁事案が、コロナ絡みで興味深かったので、仲裁判断を入手して読んでみました。

ポーランドのプロバスケットボールリーグ(Polska Liga Koszykówki)”Energa Basket Liga”での出来事。

【事実経緯】

2019.7.29

G選手は、BM Slam Stal S.A.というクラブと2019/2020年シーズンの契約を締結しました。

《主な契約条件》

契約期間は、署名した日から最後の公式戦後3日後まで。
ただし、クラブは、選手の着任後3日以内にメディカル/フィジカルテストを行い、選手がこのテストにパスした時に契約が有効となる。
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Call of Duty vs Humvee

Call of Duty(CoD)は、一人称視点のシューティングゲーム(FPS)です。最近は、オンラインマルチ化していますが、キャンペーンモードでシナリオを進めて行くのが面白いです。

CoD4″Modern Warfare”が一番好きです。チェルノブイリの事故でゴーストタウン化したウクライナ・プリピチャ市のあの遊園地で戦ったり・・・いろんなシリーズをやりましたが、現代戦・二次大戦をテーマにしたものが好きです。未来戦はもう兵器がよく分かりません。

現代戦や二次大戦のキャンペーンモードは史実を織り交ぜたシナ 続きを読む Call of Duty vs Humvee

“Fairness in Women’s Sports Act”は公正か?

チップスターでおなじみのアイダホ州ですが、この度、男性から女性に性転換したトランスジェンダーアスリートが、女性スポーツに参加することを禁止する法律”Fairness in Women’s Sports Act“を制定しました。全米初のようです。

どんな法律?

法律の半分くらいは、立法事実と目的で占められています。

要は、生物学的な男女間の差異があること(特に男性ホルモンといわれる筋肉や骨格を発達させるテストステロンの量)から、男性から女性にトランスした学生アスリートを、女子スポーツで競わせることは公正でないとして、男性からトランスした女性アスリートを、女子スポーツで競技させないことにしたようです。

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“Inter” Milan vs Miami 

ベッカム元選手やソフトバンクの孫さんらが出資して2018年に設立された”Inter Miami CF”(正式名称:Club Internacional de Fútbol Miami)ですが、イタリア・セリエAの老舗クラブ”Inter Milan”(正式名称:Football Club Internazionale Milano)と”Inter”商標を巡って、米国で係争中のようです。

正確には、Inter Miamiが所属するMajor League Soccer(MLS)は、”Single Entity”(単一の事業体)で運営されているので、Inter Miami FCではなく、MLSに所属するクラブの知的財産権を保有しているリーグ本体のMLSが戦っています。

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