F-word商標と表現の自由


“FUCT”

この言葉をアパレルのブランドとして使用している者が、USTPOに商標登録をしようとしたところ、米国商標法(Lanham Act)のDisparagement clauseに抵触するとして登録を拒絶された事案で、商標登録の有効性をめぐって争っています。

Disparagement clauseは、日本の商標法で登録拒絶事由とされる4条1項7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」にあたるようなものと思います。

ネイティブではないので”FUCT”の持つ語感がいまいち理解できませんが、Fuckedと発音が同じになる、ということでF-wordと認識されるようです。

争点は、そもそもそうしたF-wordなどimmoralやscandalousな商標登録を規制しているDisparagement clauseが、表現の自由を制限するもので無効である、というものです。

この点に関しては、2017年に連邦最高裁は、Ths Slants(つり目)というアジア系アメリカ人のバンドの商標登録をめぐる紛争で、Disparagement clauseを無効として、商標を登録を認めた事例があります。

この流れで、連邦高裁は、”FUCT”の商標登録を認めました。

これに対して連邦政府側が連邦最高裁に持ち込んで、連邦最高裁で判断されることになったようです。

このあたりの流れを見ると、過去に、NFLのWashintogn Redskinsの”Redskin”が先住民を別称するとしてDisparagement clauseにより商標登録が取り消されたという事案と整合しないように思います。

興味深い事案です。

何にせよ”FACT”の発音には気をつけなければなりません。

弁護士大橋卓生