ロシア ワールドカップ法


ロシアでワールドカップが始まりました。

同時に、オリンピックやFIFAワールドカップなど大型スポーツイベントではお馴染みのアンブッシュ・マーケティングも始まっています。

アンブッシュ・マーケティングは、一義的な定義はありませんが、オリンピックにおいては、IOCが次のように定義しています。

オリンピック、オリンピックムーブメント、IOC、開催国のオリンピック委員会又はオリンピック組織委員会と、許諾なく又は不正な肝炎を発生させる(商業的なものであるか否かは問わない)個人又は組織による試み。それにより、オリンピックの公式パートナーの正当な契約上の権利を毀損する。

また、FIFAは、W杯との関係で次のように定義しています。

FIFAワールドカップの知名度を利用し、不当にFIFAワールドカップと関連づけ行うこと。

そして、FIFAは、アンブッシュ・マーケティングを次のように類型化しています。

  1. Ambush marketing by association(関連付けによるアンブッシュ・マーケティング)
  2. Ambush marketing by intrusion(侵入によるアンブッシュ・マーケティング)

こうしたアンブッシュ・マーケティングは、既存の知的財産法・不正競争防止法だけでは対処しきれないものもあり、近年では、開催国は、開催契約によってアンブッシュ・マーケティングの規制が義務づけられ、これについて特別法を制定するようになっています。

イギリスのロンドンオリンピック・パラリンピック法、ブラジルのオリンピック法やワールドカップ法などがあります。

そして、今般のロシアW杯においても、ワールドカップ法が制定されいます。
ロシアのワールドカップ法は、アンブッシュ・マーケティングの規制だけではなく、移民関係、安全対策、外貨規制、輸送規制、スタジアムやインフラ整備など多岐に亘っています。

ロシア:ワールドカップ法

アンブッシュ規制については、FIFAの定義に沿って2類型をカバーする形で広く規制できるようになっています。

Ambush marketing by associationについては、標識法の保護範囲を超えて、商品やサービスについて、FIFAの許諾なく、直接又は間接的に、FIFAやW杯と関連づけることが規制されています。

Ambush marketing by intrusionについては、スタジアムから2km圏内で広告をするには、FIFAの事前の許諾を必要としています。

こうした厳しい規制に真っ向から勝負する形で、韓国のアパレル企業が広告を打っているようです。

近年のオリンピックの広告効果調査では、アンブッシュ・マーケティングを行った企業が公式スポンサーよりも効果を得ているという結果がでているようです。

果たして、今回のワールドカップではどうなるでしょうか。

弁護士 大橋卓生