もう一つの「アラバマ物語」 -舞台化紛争-

なぜ、”To Kill a Mockingbird”がアラバマ物語という邦題になるのか分かりませんが、英題を直訳しても意味がよく分からないので、物語の場所をタイトルに持ってきたのでしょうか。

邦題からすると牧歌的な映画と思いきや、米国南部の人種差別をテーマとしたもので、白人女性に対するレイプ容疑で逮捕された黒人を弁護する白人弁護士のお話。

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F-word商標と表現の自由

“FUCT”

この言葉をアパレルのブランドとして使用している者が、USTPOに商標登録をしようとしたところ、米国商標法(Lanham Act)のDisparagement clauseに抵触するとして登録を拒絶された事案で、商標登録の有効性をめぐって争っています。

Disparagement clauseは、日本の商標法で登録拒絶事由とされる4条1項7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」にあたるようなものと思います。

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Ed Sheeran楽曲著作権侵害訴訟 − Blurred Line事件の衝撃再びか? –

英国のシンガーソングライターEd Sheeranが、彼の楽曲”Thinking Out Loud“(58回グラミー賞で最優秀楽曲賞)がMarvin Gayの楽曲”Let’s Get It On“の著作権を侵害しているとして訴えられています。

Ed SheeranといえばMartinのミニギターを使っていて、同じギターを使っている者としては親近感があります(^^ゞ

Marvin Gayの楽曲の著作権侵害訴訟といえば、昨年、音楽業界を揺るがしたBlurred Line事件が有名です。

Robin ThickeとPharrel Williamsの2013年の大ヒットソン 続きを読む Ed Sheeran楽曲著作権侵害訴訟 − Blurred Line事件の衝撃再びか? –

ファウルボール訴訟 in ピッツバーグ- ネット設置事業者の責任!? –

2015年にピッツバーグ・パイレーツの本拠地PNCパークで発生したファウルボール事故です。

バックネット裏にいた女性の後頭部にボールがあたり脳しんとう等を起こし仕事が十分にできなくなったとして、球団・球場・MLBに加えて、ネット設置事業者を訴えた事案。

なんでネット設置事業者?穴でも空いていたのかな?と思い調べ 続きを読む ファウルボール訴訟 in ピッツバーグ- ネット設置事業者の責任!? –

Vijay Singh ドーピングケース

米国でツアー34勝を誇るレジェンドゴルファーVijay Singh(ビジェイ・シン)のドーピングに関する訴訟が和解終結しました。

5年前に、Vijay Singhは、Sports Illustrated誌の記事の中で、Deer antler sprayを使用している旨を述べました。Deer antler sprayには、WADAが禁止物質としているインスリン様成長因子-1(IGF-1)がごく微量ですが、含まれていました。

Deer antler sprayは怪我の治療などに用いられるステロイド代替物のような商品のようです。

PGAツアー側は、Vijay の尿検体を検査することなく、この記事を 続きを読む Vijay Singh ドーピングケース

Beyoncé vs Feyoncé

Beyoncé は、世界的に有名なアーティストです。

Feyoncéは、個人が立ち上げたテキサス州のアパレルブランドです。Feyoncéのブランドでシャツタンクトップマグカップなどを販売しています。Beyoncéをもじったブランド名です。マグカップに記載されている”HE PUT A RING ON IT”は、Beyoncéのヒット曲”Single Ladies(Put a Ring on It)“からのものと分かる感じで使ってます。

当然、紛争になっています。

Beyoncéは、BGK Trademarks Holdingsという自身の管理会社を立ち上げて、Beyoncé商標を管理しています。ちなみに、BGKは彼 続きを読む Beyoncé vs Feyoncé

「マリカー」判決

マリオカートは、スーファミ、DS、Wiiでやってきましたが、マリカーと呼んだことはないので、果たして「マリカー」の周知性が認定されるのだろうかと思っていましたが、認定されましたね。

この事件は、いろいろな争点があってとても興味深いのですが、もっとも興味をもった点は、①任天堂が使用していない略称が周知表示と認められたこと、②著作権の判断、です。

①略称の周知表示認定について

今回の判決で、任天堂は、「マリカー」について不正競争防止法
2条1項1号・2号の不正競争行為に該当すると主張し、裁判所は1号を認定していますので、「マリカー」は著名とまでの認定 続きを読む 「マリカー」判決

Back to the…デロリアン vs デロリアン

デロリアン(De Lorean)といえば、映画”バック・トゥ・ザ・フューチャー”シリーズに登場するタイムマシンとなった車でおなじみ。最近では、映画”レディ・プレーヤー1”にも登場しています。

バック・トゥ・ザ・フューチャー2の公開年の1989年に、ジョン・デロリアン(自動車メーカー”デロリアン”の創業者)とユニバーサル・ピクチャーズは、①デロリアンの姿態、②DeLoreanの名称及び③DMCロゴの使用に関して独占的なライセンス契約を締結しています。

その契約書の写しを確認したところ、①〜③全てをカバーする内容になっていました。その使用範囲は、玩具やノベルティ、飲食物等の 続きを読む Back to the…デロリアン vs デロリアン

Fleetwood Mac事件にみるバンドの法律関係(BAND LAW)

金沢工業大学虎ノ門大学院で行っているコンテンツ法務の授業の中でバンドの法律関係を扱っているのですが、日本ではあまり議論がなされていない分野の一つです。

個人的にも過去にバンドを組んでいた経験がありますが、一般的には、気の合う仲間同士が楽器を持ち寄って結成するもので、契約書を取り交わすなんていうことはありません。

サザンオールスターズは青山学院時代の仲間、ミスチルは高校時 続きを読む Fleetwood Mac事件にみるバンドの法律関係(BAND LAW)

CAS 聴聞公開へ

クラウディア・ペヒシュタイン選手は、ドイツのスピードスケート選手です。’94年リレハンメルから’06年トリノまで4大会連続で金メダルを獲得するなどレジェンドといえる選手です。46歳ですが、現役で、’18年平昌オリンピックにも出場し、入賞を果たしています。

都合7大会に出場していますが、’10年バンクーバーには出場していません。これは’09年に国際スケート連盟(ISU)からドーピング違反と認定され、2年間の資格停止処分が課されたからです。

このドーピング違反は、ドーピング検査で禁止物質がみつかったものではありません。アスリート・バイオロジカルパスポートという一定期間の生体マーカーを観察し、生理学的にありえない数 続きを読む CAS 聴聞公開へ